心に寄り添い“また指導してもらいたい”と思ってもらえる栄養指導とは
2008年に特定保健指導が始まって以来、管理栄養士が一般の方に指導できる機会が多くなりました。
一次予防からクライアントと関われることは健康を支援する上でとても喜ばしいことです。
しかし、栄養指導はあまりいいイメージをもたれていないことが多く、「あまり受けたくない」と思われているのが実情です。
その内訳として「食べることを制限されそう」「カロリーなど難しい話をされそう」といったイメージではなく、「前に指導された栄養士さんにすごく怒られた」「以前受けたときに無理なことばかり押し付けられた」といった実際に受けた際にいやな思いをした経験に基づく場合が大きな割合を占めています。
「風邪でのどが嗄れていたのに、お酒のせいで嗄れていると決めつけで言われた。」「あれもこれもダメダメで実現不可能なことを指導された。」など耳を疑うような指導をされたとクライアントから直接伺いました。
原因は目的を明確にできていないこと
栄養指導のゴールはなんでしょうか?なんのために栄養指導を受けていただくのでしょうか?
輝栄会では栄養指導のゴールをより健康に、より心豊かになっていただくことと定義しています。
検査値データを改善するということはもちろん大切ですが、仕事や好きなこと、趣味がバリバリできるといった心の豊かさも目指してこそ、「受けてよかった」「また受けたい」と思っていただけるのだと考えているからです。
「食行動」を指示するのは自己満足指導
・管理栄養士だから栄養について指導しなければならない
・栄養指導だから食事のことを改善するように言わなければならない
このような固定概念にとらわれて、クライアントの食行動に×をつけて〇にしようと説得する指導・・・
そんな指導をしようとして自信を持てない管理栄養士がたくさんいます。
食行動の奥を知る
クライアントの食行動を見て、その食行動を枠に当てはめようとするのではなく、その食行動を起こしているのはなぜなのか、その奥を知ることから始まります。
例えば、1日2食、お昼ご飯を抜いている方がいるとします。その方に「3食食べてくださいね」というのは先に申した通り、自己満足の指導です。【2食を3食にしてくださいと指導した】と報告したいがための指導に他なりません。
なぜ、その食行動を摂っているのか?をまず聞いていきます。
この方の場合は毎日仕事が忙しく、残業で帰りが遅いという生活の【環境】があり、早く帰って、生まれたてのわが子に会いたいという【思考】を持たれていらっしゃいました。仕事の量を減らすことはできないからお昼に休憩を取って仕事を中断するよりも一気に終わらせて、夜は早く帰りたい。だからお昼ご飯を食べていなかったです。お昼ご飯を食べたほうがいいというのはご本人様も百も承知なことなのです。それをただ食行動だけを見て食行動を改めさせようとするのは決して選ばれる栄養指導ではありません。
本音を引き出せば、自ら行動する。
食行動の奥にはその人の置かれている環境、その人の思考がある。
そしてその奥にはその人の本音が隠れている。
この本音を引き出すことでクライアントは自ら行動を起こすのです。
講座概要
開催日時 | 2000年00月00日(月)00:00~00:00 |
申込締切 | 2000年00月00日(月)00:00まで |
参加費 | 11,000円(税込) |
定員 | 10名様 |
受講方法 | オンライン講座(Zoom利用) |
対象となる方
- 管理栄養士
- 栄養士
- 給食管理従事者
- 食事指導実践者
- 学生 など
講座内容
心に寄り添う栄養指導講座(約2時間)
内容
- 「受けてよかった」と言ってもらえる栄養指導には段階がある
- 一瞬で安心感を与える方法
- 関心を持ってもらえる3要素
- 「また受けたい」と思われる栄養指導に必要なマインド
- 誰でもすぐに栄養指導ができるようになる魔法のツール、他
講師紹介
北村 絵梨子
Eriko Kitamura
管理栄養士
プロフィール
弁当給食会社での、1500 通りに及ぶ献立を創り上げた経験と、学生時代より探求し続けた栄養学の知識を活かして、特定保健指導(800件以上)や、栄養学に関するセミナー講師などとして活動中。
客観的な視点からのサポートには定評があり「あなたの強みを引き出す」栄養秘書として、商品開発や栄養監修にも携わる。栄養指導に従事したい思いのみでフリーランスの道へ。
「私が救える人は誰か」、「私には何が出来るのか」といった自身の在り方を知るために、輝栄塾(1期生)に通う。一人ひとりの強みや専門分野の明確化をサポートし、自分らしくいられる場所を作ることで、管理栄養士の地位向上につながると確信している。
受講された方の声
指導というよりもクライアントに寄り添うという意味がよくわかりました。栄養指導をやったことがなかったので、とても難しく考えていましたが、一番に相手のことを考えて、困っていることを一緒に解決していけばいいんだと気がつきました。すぐにためしてみたいです!
H.Mさま(大阪府)
今までは目標を決めないといけないというところに囚われすぎていたように思います。明日からの栄養指導に生かしていきます。
すごく楽しくてあっという間でした。
K.Eさま(京都府)
栄養指導の勉強は大学の実習のみだったので、ほとんど忘れているし、いざやってみると時間も思ったより長くて大変でした。
でも、一連の流れがこれでなんとなくわかったかもしれないので、すごく勉強になってよかったです。
改めてこれができたらカッコいいなって思いました。
N.Nさま(兵庫県)
行動リストはクライアントに出してもらうのがベストと以前から思っていましたが、それができる方法が分かったようですごく勉強になりました!
セミナーって、気持ちが変わったけど実際それをどう行動に移したらいいものか分からないようなこともあるのですが、今回はすぐに使えるツールや方法を教えていただき、明日からすぐ行動できるので、次の指導が楽しみでなりません!
T.Sさま(兵庫県)
自分が一番大事だなと思っていた相手との信頼の作り方がとっても具体的に講座でわかりました。一次予防の栄養カウンセリングのやり方が分からず、悩んでいました。しかし、この明確化ツールを使うとすごく流れがわかりやすかったのでスムーズにできました!まずこのシートを使って10人に指導します!
Y.Kさま(高知県)
相手に興味を持つことが一番大切だと分かった。信頼関係を作れるようにしていきたい。次回の指導がらすぐに実践できることが多いのでやってみたい。
今回のフィードバックをして身につけたい。
T.Sさま(岐阜県)
具体的提案や「具体的」って難しいと思いつつも自分が受け身ならやはり具体的ってわかりやすいと実感した。トークが日常も仕事も苦手なので今日のエッセンスを生かしていきたいです。個別向け、グループ向けなどいろいろ単発講座があれば嬉しいです。
M.Aさま(大阪府)
初めての栄養指導に向けて受講しました。実際にやってみると難しかったですが、少し自信が持てました。今日初めて参加しましたが、参加してよかったです。またこれから自信を持って管理栄養士として働けるように勉強していきたいです。
(山口県)
患者さんとの信頼関係を作ることの重要性、寄り添う指導とはどういうことかを学びました。大変勉強になりました。
生活チェックシートを活用して指導を行いたいと思います。
T.Yさま(大阪府)
受講をご希望の方へ
講座に興味を持っていただき、誠にありがとうございます。
栄養指導講座を受講する方には、献立作成マスター講座【献立作成講座】の受講をお勧めしております。
栄養指導とは、現状を把握し、対象者の理想の身体を目指すために日々の食事をどのようにしたらいいかを具体的にアドバイスすることであり、献立作成のスキルが必須です。特に「栄養指導をどのように行っていいかわからない」という方には、こちらも受講していただきたいと考えております。受講が前後しても問題ございません。